怨み赤子
☆☆☆
放送室を出て教室へ戻るまで、あたしは何人もの生徒たちから声をかけられた。
「有川さん大丈夫? なにかあったら言ってね?」
あたしを知ってる先輩たちはそう言い、あたしの絵を好きだと言ってくれていて生徒たちは「俺はお前の味方だからな!」と、声をかけてくれる。
たったあれだけの放送で去年の文化祭で何が起こったのか理解してくれているのだ。
それは真治が今まで自分の身を守るために他人を傷つけてきたからに違いなかった。
あたしの味方になってくれた生徒の中には、真治の被害者もいたかもしれない。
教室へ戻ると、クラスメートほぼ全員が出迎えてきてくれていて、あたしはさすがに目を見開いた。
「月乃……!!」
カナミが心配そうな表情を浮かべて駆け寄って来る。
「どうしたのカナミ」
「どうしたのじゃないよ! なんて無茶なことするの!」
「あはは。ごめんね」
あたしは頭をかてい苦笑いをした。
「笑いごとじゃないよ! 心配したんだから!」
カナミは今にも泣きだしてしまいそうな顔をしている。
「でも、真治にやられた事を暴くなってかっこいいよな」
クラスの男子がそう言った。
「あぁ、わかる。あいつ外面ばかりよくて自分の為に相手を傷つけるもんな。
できれば関わりあいたくない相手なのに、正面から立ち向かったんだもんな」
「俺ならあそこまでできねぇなぁ」
そんな声があちこちから聞こえて来る。
その時だった、ガタッと椅子から立ち上がる音が聞こえてきて、あたしはそちらへ視線を向けた。
放送室を出て教室へ戻るまで、あたしは何人もの生徒たちから声をかけられた。
「有川さん大丈夫? なにかあったら言ってね?」
あたしを知ってる先輩たちはそう言い、あたしの絵を好きだと言ってくれていて生徒たちは「俺はお前の味方だからな!」と、声をかけてくれる。
たったあれだけの放送で去年の文化祭で何が起こったのか理解してくれているのだ。
それは真治が今まで自分の身を守るために他人を傷つけてきたからに違いなかった。
あたしの味方になってくれた生徒の中には、真治の被害者もいたかもしれない。
教室へ戻ると、クラスメートほぼ全員が出迎えてきてくれていて、あたしはさすがに目を見開いた。
「月乃……!!」
カナミが心配そうな表情を浮かべて駆け寄って来る。
「どうしたのカナミ」
「どうしたのじゃないよ! なんて無茶なことするの!」
「あはは。ごめんね」
あたしは頭をかてい苦笑いをした。
「笑いごとじゃないよ! 心配したんだから!」
カナミは今にも泣きだしてしまいそうな顔をしている。
「でも、真治にやられた事を暴くなってかっこいいよな」
クラスの男子がそう言った。
「あぁ、わかる。あいつ外面ばかりよくて自分の為に相手を傷つけるもんな。
できれば関わりあいたくない相手なのに、正面から立ち向かったんだもんな」
「俺ならあそこまでできねぇなぁ」
そんな声があちこちから聞こえて来る。
その時だった、ガタッと椅子から立ち上がる音が聞こえてきて、あたしはそちらへ視線を向けた。