怨み赤子
「別にいいよ。真治の言葉を鵜呑みしているのはクラス中で教1人だけだったんだから」


あたしがそう言うと、教は表情を歪めてうつむいた。


真治と一番仲が良いのに、真治の性格を見抜く事ができなかった。


それを恥じているようにも見えた。


「このクラスに真治っていう人間は必要ない。あの人がいなくなってこそ、初めて1つのクラスになると思う」


あたしがそう言うと、賛同の声があちこちから聞こえて来た。


クラスメートを悪者に仕立て上げるような人間は、不必要だ。


その時だった。


教室のドアが開き、真治が入ってきた……。
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