怨み赤子
☆☆☆

真治がクラスにいてもいない人間として見られるようになって数週間が経過していた。


真治は日に日にうつむいている時間が長くなり、好きだった漫画を読むこともなくなっていった。


会話のない学校の時間は無駄に長い。


あたしが放送をしたことで先生たちも真治の存在をあからさまに避けるようになっていた。


気が付けば、永吉真治という生徒の机さえ、教室から消えていた。


それに気が付いたのは、梅雨が終わるころだった。


担任の教師がクラスに入ってきて真治が自宅で自殺をしてしまったのだと説明をしても、誰も何も反応を示さなかった。


ただクラス内の誰かがポツリと「それって誰だっけ？」と、呟いたのだった……。
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