怨み赤子
その水彩画の才能も、あの赤子の方が長けているのだろうか。


「そして人を怨めば怨むほど、赤子の魅力は増していく」


「そんな……」


初めて聞く話にあたしは目を見開いた。


ここで生まれた時よりもまだ魅力的になっていると言う事だ。


「でも、赤子がここへ帰ってくればそれも終わりですよね」


そう聞くと、リサさんはあたしを見て頷いた。


「『帰ってくれば』ね……」


リサさんの言葉が協会の中に響き渡ったのだった……。
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