怨み赤子
昨日何気なく描いた外の景色の水彩画は、さっそく大きなコンテストの一次審査を通過したと連絡が来ていた。


本当は応募期日を過ぎていたのだが、あたしの才能を買ってくれた審査員が特別に通過させてくれたのだ。


無名の人間がこんな快挙を成し遂げる事なんて、この先あるかどうかもわからない。


協会にいるお母さんがいくら帰ってきてほしいと願っても、いくら祈りを捧げても、その声はあたしには届かなかったのだった……。
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