怨み赤子
「勉っていつも成績がいいよね。どんな勉強してるの?」


あたしは興味のない話題を吹っかける。


勉はとにかく褒められることが大好きだ。


勉強のやり方について自信満々に話し始める。


正直勉の成績はあたしより悪いのだけれど、あたしはそれを熱心に聞くふりをした。


「それだけ勉強ができるなら、ユキも勉強が得意なんでしょ?」


ユキの話を持ち出すと、途端に勉はつまらなそうな表情になる。


好きな事に変わりないけれど、嫌な部分も多く見てきているためその表情が曇るのだ。


「さぁ? 俺あいつの成績に興味ないし」


勉はそう言い、大きな欠伸をした。


本当に興味がないようだ。


「それに金遣いの荒さばっかり気になってるし」


勉はそう言うと、そっぽを向いてしまった。


友達から何万円もせびろうとするユキの性格だ。


彼氏である勉も相当お金を使わされて来ているのだろう。


あたしは自分の机に座り、クスッと笑ったのだった。
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