怨み赤子
☆☆☆
昼休み。
あたしは教室にカナミを待たせてトイレに来ていた。
今日はあいにくの雨で屋上では食べられない。
教室は埃っぽくて嫌いなのだけれど、雨に打たれるよりはマシだ。
女子トイレの個室から出て来るとちょうどユキが入って来る所だった。
「あ、月乃。今日は外で食べられなくて残念だねぇ」
「そうだね。梅雨の時期だから仕方ないけど」
そう返事をするや否や、ユキはブツブツと文句を言い始めた。
「さっき勉にノート写させてもらおうと思ったら断られたんだよね。月乃後で貸してよ」
イライラしながらそう言うユキ。
今朝あたしが勉の勉強を褒めたから、ユキは貸してもらえなくなったのだろう。
「いいけど……」
人に物を頼むときの態度すら、ユキは知らないのだろうかと腹が立つ。
「あたし、勉とは結婚したくないなぁ」
「へ?」
突然そう言い始めたユキにあたしは目を丸くする。
「だって金遣いが荒くてバイトしてても全部使っちゃうんだよ? 貯金ができない男って無理だよね」
ユキはそう言い、軽く笑った。
昼休み。
あたしは教室にカナミを待たせてトイレに来ていた。
今日はあいにくの雨で屋上では食べられない。
教室は埃っぽくて嫌いなのだけれど、雨に打たれるよりはマシだ。
女子トイレの個室から出て来るとちょうどユキが入って来る所だった。
「あ、月乃。今日は外で食べられなくて残念だねぇ」
「そうだね。梅雨の時期だから仕方ないけど」
そう返事をするや否や、ユキはブツブツと文句を言い始めた。
「さっき勉にノート写させてもらおうと思ったら断られたんだよね。月乃後で貸してよ」
イライラしながらそう言うユキ。
今朝あたしが勉の勉強を褒めたから、ユキは貸してもらえなくなったのだろう。
「いいけど……」
人に物を頼むときの態度すら、ユキは知らないのだろうかと腹が立つ。
「あたし、勉とは結婚したくないなぁ」
「へ?」
突然そう言い始めたユキにあたしは目を丸くする。
「だって金遣いが荒くてバイトしてても全部使っちゃうんだよ? 貯金ができない男って無理だよね」
ユキはそう言い、軽く笑った。