怨み赤子
「勉の事が嫌いなの?」


「ううん。そういうんじゃないけど、ほら長く付き合ってたら見えなくていい部分まで見えるしさぁ」


ユキはそう言い、鏡に向かってリップクリームを塗った。


ユキも勉も、やっぱり同じような事を言っている。


文句を言いながらも別れる気もなく、中途半端に付き合い続けているようにあたしには見えた。


さっさと別れちゃえばいいのに。


あたしはそう思いながらトイレを出たのだった。
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