怨み赤子
クセの強いユキの髪はショートにするとあちこちに跳ねて、顔が二倍の大きさになるから、いつもロングにしている。


それでも真っ黒で太い髪質なので今日もまとまりがないようだ。


「ドールハウスって」


ユキはそう言い、小さく笑った。


ユキの趣味は漫画やゲームだ。


その類の会話は毎日しているし、ユキ持参の雑誌や漫画をよく見させられている。


漫画は読むけれど正直ゲームは全く興味がなかった。


それでも話題の1つだからと思って黙って話を聞いていたのだが、ユキはこちらが趣味の話をする前に興味なさそうに机へと戻って行った。


「嫌な感じだね」


カナミが呟く。


「気にしなくていいよ」


あたしはそう言い、雑誌に視線をうつしたのだった。
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