怨み赤子
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夜になり、街の中を歩いているとユキへの怨みが徐々に晴れていくのを感じていた。
今までどす黒く沈んでいた心が、羽が生えたように軽くなる。
このままどこまでも飛んで行けるんじゃないかな?
今ならユキにも笑顔で接することができそうだ。
でも……あたしは教会の前で立ちどまった。
あたしの役目はこれで終わりだ。
小さな協会のドアを開くと、教壇の前にお母さんがいた。
お母さんのお腹はまた少し膨らんできている。
「ただいま」
お母さんの横に立ってそう言うと、お母さんは優しくほほ笑んでくれた。
「ありがとう、怨みを晴らしてくれて」
お母さんが立ち上がり、あたしの体を包み込んでくれる。
生まれて初めて感じるお母さんの手のぬくもりに、あたしは目を閉じた。
暖かくて優しくて。
怨みのために生まれて来たあたしにとって、それはとても残酷な幸せで……。
今までどす黒く沈んでいた心が、羽が生えたように軽くなる。
このままどこまでも飛んで行けるんじゃないかな?
今ならユキにも笑顔で接することができそうだ。
でも……あたしは教会の前で立ちどまった。
あたしの役目はこれで終わりだ。
小さな協会のドアを開くと、教壇の前にお母さんがいた。
お母さんのお腹はまた少し膨らんできている。
「ただいま」
お母さんの横に立ってそう言うと、お母さんは優しくほほ笑んでくれた。
「ありがとう、怨みを晴らしてくれて」
お母さんが立ち上がり、あたしの体を包み込んでくれる。
生まれて初めて感じるお母さんの手のぬくもりに、あたしは目を閉じた。
暖かくて優しくて。
怨みのために生まれて来たあたしにとって、それはとても残酷な幸せで……。