怨み赤子
勘違い男
ツバサ君は女の子たちの囲って昨日の話を延々と続けていたが、弘江と大也が仲良く手を繋いて教室へ入ってきた途端、口を閉じた。
弘江はいつもと変わらぬ様子で楽しそうに大也と会話をしている。
その様子を見たクラスの女子たちは途端にツバサ君に興味を失ったようにバラバラに散っていく。
「ツバサ君の話って本当なのかな?」
「どうせまたカッコつけの嘘をついたんじゃないの?」
そんな会話が聞こえて来る。
ツバサ君は今までも、この子には俺がついていなきゃいけないんだ。
と、勝手な思い込みをして色んな女子たちに声をかけてきていた。
本人たちが本当にツバサ君を必要としているのなら、ここまで雑な扱いは受けないはずだ。
弘江なんて教室へ入ってきてもツバサ君に挨拶もせず、素通りをしてしまった。
あたしはそんな弘江の後ろ姿を見てまた苦笑いをした。
ここまでわかりやすい態度を取られているのに、ひるツバサ君は自信満々な表情で弘江を見ている。
弘江ももう少しツバサ君にかまってあげればいいのに、用事がなくなった途端にまるで他人のような素振りになる。
それは傍から見ていてもツバサ君がかわいそうだと思えるほどなのに、当人だけはそう感じていないようだ。
俺のおかげで弘江ちゃんは今日も元気でいられるんだ。
そんな思考回路が透けて見えている。
「ツバサ君って、本当におめでたい性格だよね」
カナミも呆れてそう言ったのだった。
弘江はいつもと変わらぬ様子で楽しそうに大也と会話をしている。
その様子を見たクラスの女子たちは途端にツバサ君に興味を失ったようにバラバラに散っていく。
「ツバサ君の話って本当なのかな?」
「どうせまたカッコつけの嘘をついたんじゃないの?」
そんな会話が聞こえて来る。
ツバサ君は今までも、この子には俺がついていなきゃいけないんだ。
と、勝手な思い込みをして色んな女子たちに声をかけてきていた。
本人たちが本当にツバサ君を必要としているのなら、ここまで雑な扱いは受けないはずだ。
弘江なんて教室へ入ってきてもツバサ君に挨拶もせず、素通りをしてしまった。
あたしはそんな弘江の後ろ姿を見てまた苦笑いをした。
ここまでわかりやすい態度を取られているのに、ひるツバサ君は自信満々な表情で弘江を見ている。
弘江ももう少しツバサ君にかまってあげればいいのに、用事がなくなった途端にまるで他人のような素振りになる。
それは傍から見ていてもツバサ君がかわいそうだと思えるほどなのに、当人だけはそう感じていないようだ。
俺のおかげで弘江ちゃんは今日も元気でいられるんだ。
そんな思考回路が透けて見えている。
「ツバサ君って、本当におめでたい性格だよね」
カナミも呆れてそう言ったのだった。