怨み赤子
大也の標的が自分からツバサ君へと変わったことで、安全が確保されたからだ。
ツバサ君がなにかモゴモゴと口走った。
しかしその声は声にもならずに消えていき、大也が笑い声を上げながらツバサ君を殴りつける。
「ねぇ、そろそろやめてよ」
ツバサ君が自力でも起き上がれなくなった頃、ようやく弘江がそう言った。
「ん? あぁ、そうだな」
大也もようやくスッキリしたようで、ツバサ君から身を離した。
「おい、起きろよ」
横倒しになっているツバサ君のわき腹を大也が蹴る。
しかし、ツバサ君はびくとも動かない。
「ちょっとやりすぎたんじゃないの?」
弘江が焦った口調でツバサ君の顔を覗き込む。
ツバサ君は完全に気絶してしまっているようだ。
「救急車……」
大也が呟く。
しかしそれを弘江が否定したのだ。
「そんな事したら警察沙汰になって大也が逮捕されるかもしれないじゃん!」
弘江の言葉にあたしは目を見張った。
自分のために気絶してしまったクラスメートを見て、まだ大也をかばうつもりなのだ。
あたしには弘江の気持ちもいまいち理解できそうにない。
ツバサ君がなにかモゴモゴと口走った。
しかしその声は声にもならずに消えていき、大也が笑い声を上げながらツバサ君を殴りつける。
「ねぇ、そろそろやめてよ」
ツバサ君が自力でも起き上がれなくなった頃、ようやく弘江がそう言った。
「ん? あぁ、そうだな」
大也もようやくスッキリしたようで、ツバサ君から身を離した。
「おい、起きろよ」
横倒しになっているツバサ君のわき腹を大也が蹴る。
しかし、ツバサ君はびくとも動かない。
「ちょっとやりすぎたんじゃないの?」
弘江が焦った口調でツバサ君の顔を覗き込む。
ツバサ君は完全に気絶してしまっているようだ。
「救急車……」
大也が呟く。
しかしそれを弘江が否定したのだ。
「そんな事したら警察沙汰になって大也が逮捕されるかもしれないじゃん!」
弘江の言葉にあたしは目を見張った。
自分のために気絶してしまったクラスメートを見て、まだ大也をかばうつもりなのだ。
あたしには弘江の気持ちもいまいち理解できそうにない。