怨み赤子
最後の
月の綺麗な夜。
あたしは教会へ足を踏み入れた。
あたしが生まれた教壇の前に、お母さんが立っていた。
「おかえり」
お母さんは穏やかな表情でほほ笑み、歩み寄ってあたしを抱きしめてくれた。
「今朝の新聞で見たよ。弘江が死んで大也が逮捕されたって。ツバサ君は精神科の閉鎖病棟行きなんでしょ?」
「うん」
あたしは小さく頷いた。
怨みが晴れたお母さんの手の中はとても暖かくて、とても安心できて、すぐに眠気を覚えた。
「ありがとう。全部あなたのおかげよ」
その言葉を最後まで聞く事もなく、あたしの体は灰になり床へと落ちて行ったのだった。
あたしは教会へ足を踏み入れた。
あたしが生まれた教壇の前に、お母さんが立っていた。
「おかえり」
お母さんは穏やかな表情でほほ笑み、歩み寄ってあたしを抱きしめてくれた。
「今朝の新聞で見たよ。弘江が死んで大也が逮捕されたって。ツバサ君は精神科の閉鎖病棟行きなんでしょ?」
「うん」
あたしは小さく頷いた。
怨みが晴れたお母さんの手の中はとても暖かくて、とても安心できて、すぐに眠気を覚えた。
「ありがとう。全部あなたのおかげよ」
その言葉を最後まで聞く事もなく、あたしの体は灰になり床へと落ちて行ったのだった。