怨み赤子
完全に腹部から出ると、赤子はあたしの横に立ちへその緒を噛み千切り、咀嚼しはじめた。


クチャクチャと嫌な音が協会の中に響き渡り、さっきまで晴れていたのに雷の音が聞こえ始めた。


「栄養を付けてるわ……」


へその緒を食べる恐ろしい光景にリサさんは呟く。


赤子はみるみる内に大きくなり、あたしの姿へと変化していく。


しかしそれは恐ろしいほど美しい姿だった。


「なんで……」


あたしは唖然として赤子を見つめた。


たしかにあたしにそっくりな顔をしている。


しかし、内面からあふれ出る美しさがあたしとは違うのだ。


「どういう事!?」


完全に傷口がふさがったあたしは体を起こしてそう言った。


その瞬間、メマイを感じて目の前が暗くなった。


「無理しないで。大丈夫よ、ちゃんと今まで通り1日3回お祈りをすればあなたに危害はないから」


リサさんがそう言うのを聞きながら、あたしは怨み赤子が教会を出て行くのを見ていたのだった。
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