怨み赤子
異変
学校へ行くとみんながあたしを見ていた。


あたしは自分の服装をチェックして変じゃない事を確認すると、首を傾げた。


「月乃! おはよう……」


元気よく話かけてきたカナミが語尾を小さくする。


そして目を見開いた。


「どうしたの月乃?」


「え? あたし何か変?」


みんなの視線を気にしながら席に座る。


鞄から手鏡を取り出して髪型も確認するが、変なところはない。


「変って言うか、すごく綺麗なんだけど……」


「えぇ? 何言ってるのカナミ」


あたしは笑い声をあげてそう言った。


みんながジロジロと見てくるから何事かと思ったけれど、別になんでもなかったみたいだ。


安心して教科書を机にしまいはじめるあたし。


そういえば昨日宿題が出てたんだっけ。


そう思い出しため息を吐き出す。


すっかり忘れてしまっていた。
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