怨み赤子
☆☆☆

あたしに訪れた変化はそれだけじゃなかった。


数学に限らずすべての授業の問題がすんなりと解けていく。


体育でバスケットボールをしても、当然のように得点を入れる事ができる。


いつもと違うあたしにクラスメートたちは湧きあがり、休憩時間の度に「今日はどうしたの?」という質問をされた。


あたしはその質問に「特になにもないよ?」と、返事をするだけだった。


しかしクラスメートたちに褒められる事は気分がいい事だった。


もっと言ってほしい、もっと持ち上げてほしい。


そんな気持ちが湧いてくる。


だけどあたしの目的はクラスメートに褒められる事でも、勉強をすることでもなかった。


あたしは教室の後ろで立ち話をしている永吉真治(ナガヨシ シンジ)と末次教(スエツグ キョウ)へ視線を向けた。


今回の怨みのターゲットはあの2人だ。
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