怨み赤子
一年前
その後、野村さんたちは終始ユキをいじって遊んでいて、帰るころにはユキはグッタリとしていた。


そのストレスはユキを食べる事へと駆り立てて、帰り道にあるコンビニに入って行くユキの姿があった。


あたしはそんなユキを横目に見て小さく笑う。


いつも人を見下していた人間が、人から見下される立場になるとこんなにも弱いものなのだ。


人間はもろい。


弘江も大也もツバサ君もいとも簡単に壊れてしまった。


あたしはスキップをしながら家へと向かった。


自分の部屋に入ると、白い壁に表彰状が飾られている。


そういえば最近絵を描いていないかもしれない。


そう思い、机の横に置いてあるスケッチブックを取り出した。


腕試しにまどから見える外の景色を、下書きもせずに描きはじめた。


あたしが水彩画で賞を取った時、文化祭の日にあたしの作品の宣伝としてビラを配らせてくれる事になった。


そのビラはユキが作った史上最低なものになってしまったが、どうにか手直しを終えて配れるようになっていた。


しかし、そこでまた別の問題が持ち上がっていたのだ。
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