怨み赤子
文化祭の実行委員の中にはクラスメートの真治がいた。


その事を知ったあたしは、文化祭が開催される3か月も前にビラ配りの許可を取りに行っていたのだ。


文化祭実行委員が集まっている教室へ向かうと、ちょうど真治が教室から出てきたところだったので、あたしはすかさず声をかけた。


「ねぇ、今度の文化祭であたしの絵の宣伝をさせてほしいんだけど」


「宣伝？」


「そう。簡単なビラを作って、それを配りたいの」


「あぁ。ビラ配りくらいなら大丈夫だよ」


真治は二つ返事でそう言ったのだ。


沢山の人が集まる文化祭でビラ配りができれば、ある程度の宣伝効果もある。


あたしは張り切って昔の絵を引っ張り出し、そこに乗せる文章を考えた。


しかし、いくら待ってみても真治からの連絡が来ないのだ。


一度ＯＫを貰っていても、実行委員からちゃんとした返事がなければ行動に移す事ができない。


ちゃんと話を通してくれるまでビラ作りができないのだ。


時間は刻一刻と過ぎていき、ついに文化祭1ッか月前になった。


印刷所へ出して戻って来るまでの時間を考えれば、もうこれ以上待っている事はできなかった。


ある日の放課後、あたしは1人で文化祭実行委員が集まっている教室へと向かった。
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