letter〜この出会いは運命〜
「怪我はないか?」
そう聞いてくれたのは現レックスの2年龍貴院 奏[リュウキイン ソウ]先輩だった。
龍貴院先輩は顔が整っていて本当にかっこいいイケメン!
教養もあって龍貴院財閥次期総帥と言う高い地位にある。
そして何よりモテモテだ。
今回もエントリーされているみたいなので私には勝ち目がない。
「だ、大丈夫です。龍貴院様、ご迷惑をおかけしました。」
「あぁ。とりあえず後でレックスルームへ来い。」
その瞬間私以外の人が凍りついた。
そして私に向ける目は何故?という疑問の目。
((レックスルームとは、レックスに与えられる個室の事で主に職務をこなす部屋。張本人たちはサボリに使うことも多い。))
わ、わけが分からないけど、お呼び出しを食らってしまった!
「は、はい。」
と跪くと龍貴院先輩は手を差し出してくれた。
「龍貴院様すいません。」
「いや、」
そう言うとレックスの席に戻っていく。
私があの席に座れたらなぁ……。
そんな事を考えてしまう。
「現時刻を持って総会を終会致します。起立、礼。」
と言うレックス言葉に合わせて二人の抜けた総会は終わった。
なんとか無事に(?)総会も終わり私はレックスルームに行くだけになった。
うぅ……。緊張する……。
時間がかかるだろうなぁ……
と思い夜美ちゃんには先に帰ってもらう事にした。
「夜美ちゃん!後で帰るから先に帰ってて?」
夜美ちゃんは戸惑った顔を見せたけど、頷いてくれた。