letter〜この出会いは運命〜
「まぁ、帰ってからでも御両親に聞いてみろよ。」
「は、はい。龍貴院様取り乱してしまい申し訳ありません。あと、知らなかったのもごめんなさい。」
ごめんなさいを申し訳ありませんに変えてなくて怒られるんじゃないかと焦る。本当に焦る。
「奏でいい。一応婚約者だし。
でもこう見えて結構傷ついてたんだぞ。中一でお前が婚約者って教えて貰ってお前の写真を見て一目惚れしたんだ。
だからここまで頑張れたからな。」
それを聞いて少し驚いた。
本当にそんな世界があると思ってなかったから。
「で、やっと高校同じになって婚約者として仲良く出来るかなー?とか思ってたら急に彼氏は作るし勝手に別れるし、そんな事で一喜一憂させられて……。レックスとして情けないわ……。で、今はフリーだよな?」
ご、ごめんなさい!
知らなくてごめんなさい!
心から謝りたくなった。
「ご、ごめんなさい。今は深澤君と、深澤鏡夜君とお付き合いさせて頂いてます。」
「は?マジかよ……。もういいわ。次にそいつと別れたら婚約を発表するから。2人の時は奏って呼び捨てで、呼べ。普通の時は奏さんでいい、」
なんかさらっと恐れ多いことを……!
「解った?婚約者殿?」
「わかりました。奏。でもみんなの前で奏様はちょっと……?」
奏は頭に?を浮かべる
「じゃあみんなの前でも奏でいい。」
「いやいや!さらに悪くなってますよ!」
とそこにチャイムがなった。
「今日は帰れ。本題についてはまた明日聞こう。」
明日も来るのか……。
「失礼します。」
もう色々あり過ぎて疲れきってその一言しか残せなかった。