letter〜この出会いは運命〜
家に入るとお母さんが居た。
「ただいまぁー」
「おかえりなさい。」
なんでそんなに庶民的なんだろう……。
「ねぇ?桜井財閥って何?私の婚約ってどう言うこと?」
疲れのせいか少し起こってるみたいな言い方になった。
あ、ごめんねママ……。
「和歌ちゃん、知っちゃったの?知らない方が幸せだったのに。」
ママは困った顔で苦笑した。
「どう言うこと?」
ママと私はは玄関の椅子に座った。
「黙っててごめんなさいね。実は高校に入ったら教えてあげようと思っていたんだけれど貴方に彼氏が出来たって夜美ちゃんから聞いて言うに言えなくなっちゃって、、、」
そっか。皆黙っとこうとか思ったわけじゃ無かったんだ。
「それで龍貴院の奏君も今の彼氏が別れたらでいいって言ってくれるから……。でも今日龍貴院君から聞いたのね?」
ママは本当に困った顔をしてる。
「じゃあパパのサラリーマンって嘘?ママの派遣社員って話も?」
ママは困って泣き出してしまった。
「ごめんなさい。貴方を騙すつもりはなかったの。ただ、桜井家の名前は大きすぎて私は何度も誘拐されかけたの。だから貴方だけは守りたくて……。
パパは取締役よ。私は秘書。おじいちゃんは会長よ……。」
頑張って話してくれたお母さんには悪いけどもうどうでも良くなってしまった。今日は凄いことが多すぎた。
「ママ、ありがとう。でもそれで私が変わるわけじゃないし大丈夫だよ。とりあえず今日は寝るね!」
そう言って私は自分の部屋に向かって走った。