letter〜この出会いは運命〜
レックスルームの扉の前まで来て左手をグッと握りしめる。
よし。とりあえず覚悟はできた。
コンコン
「1D桜井和歌です。「紫月夜美です。」
「入れ。」
ドアの向こうから聞こえたのはいつも通り冷淡な奏の声だった。
扉を開けると昨日私が座っていた場所、黒革のソファーに奏が座っていた。
私たちは奏の向かい側のソファーにかけた。
「……。朝は気づかなかったが紫月夜美と言えばアパレルメーカーの会長孫娘か。」
え?夜美ちゃんってお嬢様だったんだ!
こんなに一緒にいたのに気づかなかった。
少し寂しい気持ちになった。
「はい。そうです。」
夜美ちゃんは真顔で答える。
「まぁ、いい。とりあえず昨日の立候補者総会の件について聞こうか。」
ついに来てしまった……。