専務と心中!
「うれしいです!お忙しい峠先生に、ご負担をおかけするのは申し訳ないけど、すごく心強いです!ご配慮、ありがとうございます。」
「おいおい。俺が室長代理になったときより、はるかにうれしそうだぞ、にほちゃん。」
拗ねた口振りで、専務がそうつっ込んだ。
当たり前だ。
南部室長も、専務も、ハッキリ言って戦力外。
でも、峠さんは、百人力だ。
「そりゃ専門知識のあるかたが上にいてくださったほうが、助かりますもん。私ももっと勉強しなきゃ、って。がんばろーっ。あ。専務。新婚旅行、延期ね。」
急に元気になった私に、社長もお花さんも優しく同調してくれていた。
これからのことはわからない。
でも、どう転んでも、大丈夫。
前向きにがんばる。
私には、守ってくれるヒトも、愛してくれるヒトもいる。
支えてくれるヒトも、励ましてくれるヒトもいる。
慕ってくれるヒトも、信じてくれるヒトもいる。
だから、外野に何を言われても気にしない。
そう心に誓った。
お昼前に来客があった。
デパートの外商さんがやって来て、何事かと戸惑う私の全身を計測した。
しばらくすると、大量の服や、靴、鞄……下着類までもが届けられた。
ついでに反物や宝石も見せられたけど、さすがに固辞した。
そしたら、お花さんが選んで注文してしまった。
「……請求書が怖いです。」
私がそうぼやいても、お花さんは笑っていた。
「たいした額じゃありませんよ。にほさんが見すぼらしい格好をしてると若さんが恥かかはりますからね。マダムのような浪費は困りますが、必要なモノは遠慮せずおっしゃってください。」
浪費……。
「マダムグレイスは……お買い物がお好きだったんですか?」
言葉を選んで聞いたつもりだったけど、お花さんは手厳しかった。
「好きとか嫌いの問題じゃなく、病気でしたよ。」
そんなに!?
絶句してると、聡くんがひょこりと顔を出した。
「お花さん。出かけたいんだけど、昼飯ってどんな感じ?」
飛び上がらんばかりに慌てて、お花さんは振り返った。
「ぼっちゃん!すぐ準備します!いえ、下準備はできてますから、少しだけ待ってくださいね!」
パタパタとスリッパを鳴らして、お花さんはキッチンへ走った。
「母のこと、気になりますか?」
不意に聡くんにそう聞かれた。
「おいおい。俺が室長代理になったときより、はるかにうれしそうだぞ、にほちゃん。」
拗ねた口振りで、専務がそうつっ込んだ。
当たり前だ。
南部室長も、専務も、ハッキリ言って戦力外。
でも、峠さんは、百人力だ。
「そりゃ専門知識のあるかたが上にいてくださったほうが、助かりますもん。私ももっと勉強しなきゃ、って。がんばろーっ。あ。専務。新婚旅行、延期ね。」
急に元気になった私に、社長もお花さんも優しく同調してくれていた。
これからのことはわからない。
でも、どう転んでも、大丈夫。
前向きにがんばる。
私には、守ってくれるヒトも、愛してくれるヒトもいる。
支えてくれるヒトも、励ましてくれるヒトもいる。
慕ってくれるヒトも、信じてくれるヒトもいる。
だから、外野に何を言われても気にしない。
そう心に誓った。
お昼前に来客があった。
デパートの外商さんがやって来て、何事かと戸惑う私の全身を計測した。
しばらくすると、大量の服や、靴、鞄……下着類までもが届けられた。
ついでに反物や宝石も見せられたけど、さすがに固辞した。
そしたら、お花さんが選んで注文してしまった。
「……請求書が怖いです。」
私がそうぼやいても、お花さんは笑っていた。
「たいした額じゃありませんよ。にほさんが見すぼらしい格好をしてると若さんが恥かかはりますからね。マダムのような浪費は困りますが、必要なモノは遠慮せずおっしゃってください。」
浪費……。
「マダムグレイスは……お買い物がお好きだったんですか?」
言葉を選んで聞いたつもりだったけど、お花さんは手厳しかった。
「好きとか嫌いの問題じゃなく、病気でしたよ。」
そんなに!?
絶句してると、聡くんがひょこりと顔を出した。
「お花さん。出かけたいんだけど、昼飯ってどんな感じ?」
飛び上がらんばかりに慌てて、お花さんは振り返った。
「ぼっちゃん!すぐ準備します!いえ、下準備はできてますから、少しだけ待ってくださいね!」
パタパタとスリッパを鳴らして、お花さんはキッチンへ走った。
「母のこと、気になりますか?」
不意に聡くんにそう聞かれた。