幕末の想いはココに
白粉を塗り、紅をさす
その隣で、友達の化粧をしていたお店の方が
『初めてなのに手馴れた感じですね!』
って言ってきた。
確かに、普段はすっぴんだし……
メイクだってやったことないし……
まして、白粉なんて初めてみるし……
髪を結って、着物を着ると
自然と手が動く。
何気なくやってたけど、周りの硬直した顔を見て、自分の今の状況を把握した。
いつの間にか、帯を締めていた。
「きい……あんた本当に初めてなの???
なんでそんな手際よく着れるの??」
そう言われましても……私自身なんで?ってなってんのに……
¨きい……¨
えっ?
「ねぇ、今誰か呼んだ??」
「呼んでないよ」
何処からか聞こえてきた……
何処か懐かしいような声……
ずっと呼ばれていた様な……
いつなのか記憶にないけど、
その声に
ドキドキとする今……
ずっとモヤっとしていた事が
扉を開いたような気がした。