唯一愛した君へ
st.
「あいつ、死んだよ。」
淡々と、彼は言った。
…あたしは驚いた。
「…っ…な、んで…?」
心臓がおかしく動き回る。
「……俺が、殺したから」
また、彼は抑揚のない声で淡々と言った。目だけは真剣だった。
――ドサッ
読んでいた本が手から滑り落ちた。…小刻みに震える。
「………お前、どうする…?」
「…えっ―――…?」
「俺を殺す?
……それとも、俺を選ぶ?」
時が、全て…止まった。
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