唯一愛した君へ



「……別に。」



友達には、否定していた。
この気持ちを。


認めようとしない自分がいた。
言いたくないと思っていた。




「…そう?……それなら、いいんだけど…」



良くないよ。
あたしはあの人を
好きになったんだ。


もう止められない気がする。
そんな気がする…。



今でも心臓が脈打っている。
あんな仕草ひとつだけで。





たったさっきの
出来事なのに、



会いたくて
会いたくて
会いたくて



仕方ないんだ……。




名前さえしらない。
どんな名前なんだろう?

冷たいような…
強さがあるような…
そんな名前だろうな。

そうやって勝手に妄想しては、駆け巡る鼓動の音。



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