唯一愛した君へ
由美子は最近、あたしに電話をくれるといつも言ってくる。
『優梨何かあったの?』
『…なんで?』
あたしが返すと決まってこうだ。
『…なんだか、声が元気に戻ったような気がする。嘘じゃなくてちゃんと楽しそうに笑うし』
そうかなぁ?
それならシンのおかげ
いつもの噴水で鷹巳を待ちながら、
いつの間にかシンが来るのを待っているあたしが心のどこかにいる。
その想いをはっきりさせようとは思わないけれど…
確実に何かが変わり始めている。
目を閉じると
すぐに思い出せた
あの人の顔が
日に日に
思い出せなくなっている