唯一愛した君へ



もう一度言うと、その怒った顔を崩して、

しゃがみ込んで、あたしをぎゅっと抱きしめた。


その腕は、かすかに震えていて。

それでもあたしの存在を確かめるように、強く強く抱きしめた。





「………よかった…っ、
…ほんまよかった…っ…」


消え入りそうな声で何度も呟いた。



ねえ…?
それはあたしが生きててってことなの…?

あたしの心の問い掛けが聞こえたのか、答えるように。


「…優梨が生きとってほんまよかった……っ!」


シンは腕を離して肩を掴み、あたしを正面に来させ、じっと目を見て来て…逸らせないようにした。


シンの瞳があたしをずっと捕らえる。…ドキッと胸が高鳴った。




「…………優梨………?」






優しい優しい声だった――





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