唯一愛した君へ















ねぇ、鷹巳――…?



よくさ、ドラマとか小説だとさ…

一生懸命諦めず探してればさ、思い出の場所で待ってればさ、
会いたい人が最後の最後…
いいとこで現れてさ……。
ハッピーエンドなの。

もしそうなら…
あたしは鷹巳に会えてるよね?
でもまだこの今でも…
現れないなんてさ…。

もう会えない証拠でしょ?





ねぇ、知ってる――?



なんであたしがあなたを探し続けてたか。


好きだから、
愛してるから、



それもある――…。




でも本当は………






―――…怖かったの。




あなたを忘れるのが。




どんなに頑張っても、


いつか会わなければ…


忘れてしまうかもしれない。





そしたらさ…


本当にあたし達、何にも無くなっちゃうの。



思い出も、全部。


あなたに出会ったこと。





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