唯一愛した君へ
それが、堪らなく怖くて。
だけど――…
もう、しょうがないのかもしれない。
だってあたし達は、
“運命の相手”
じゃなかったから――…
赤い糸なんてなかった…
『………好きや……』
シンの声だけがあたしの音のようだった。
『……大事な奴がいるのは分かってる……。
けど
それでもええから……』
シンは綺麗な顔をしている。
きっといろんな女の人に“好き”と言われてきただろう。
それな彼を…
泣かせるあたしは
最低な女かもしれない。
『…俺に守らせて……?』
涙が頬を綺麗に流れ落ちた――…
――…あたしの瞳から。
どっかで聞いたことがある
女は愛するより
愛される方が幸せだって…
ゆっくり――…
――あたしは首を縦に振った。
『……うん…』
そう、呟きながら―――。