唯一愛した君へ
objection
シンといると驚くことばかりだった。
シンは鷹巳と同じ人種なはずなのに、
案外普通のデートだった。
例えば
ゲーセンに行って
UFOキャッチャーしたり
プリクラを撮ったり
はたまた
カラオケに行ったり。
本当に高校生がするような
“普通のデート”だった。
逆にあたしの方が心配になるくらいで…
『シンはこんな真昼間に人込みに居ても平気なの?』
思わず最初のデートの途中、
ファミレスでメニュー表を見るシンに聞いてみた。
『ん?あぁ!あいつ…鷹巳とは来なかったんや?まぁ、そうだよなぁ』
そういって納得したような顔をした後、
『でも俺は大丈夫やで!あいつほど有名やないからなっ!』
少し淋しげに、それでも笑顔でそういっていた。