唯一愛した君へ
シンと居る時、ちらほら鷹巳の話をした。
それはあたしが知っている鷹巳を教えたり、
シンが知っている鷹巳を教えてもらったり、
それは相違点がたくさんあって面白かった。
なにより、今まで誰にも鷹巳のことを話せなかったから、鷹巳のことを自然と話せることが楽で良かった。
シンは鷹巳の話をしても、怒ったりしない。
むしろ興味津々に、
『うっそ!あいつがぁ!?』
とゲラゲラと笑っている。
―――シンから教えてもらって聞いた鷹巳の話は、初めて知ることばかりだった。
まず鷹巳は、その世界はかなり有名で名の知れた人間だということ。
しかも18歳で総長を務める強さは、尋常じゃないらしく…
裏では名前にちなんで“貴鷹”とも呼ばれているらしい。