唯一愛した君へ
あたしはそんなすごい人の彼女だったのか……
その話を聞いた時は、実感すら湧かなかった。
『だけど有名な分、いろいろあいつの周りは危ないらしいねん。いろんなとこから狙われるわ、裏では危ないことに絡んでたとかいう噂もあったなぁ…』
あ…あたし、よく生きてたなぁ………
あたしはほっぺとか触って、本当に自分がちゃんと生きてるのか確かめた。
そしたら、シンの手がぽんっと頭の上に置かれた。
『優梨はほんま命知らずやなぁ!』
そう笑顔でケラケラと笑って…
『安心せぇよ?今度は俺が守ったるからな――!』
強い強い瞳。
その奥に光る、強固な意志。
安心して、頷けた。