唯一愛した君へ





あたしはそんなすごい人の彼女だったのか……



その話を聞いた時は、実感すら湧かなかった。





『だけど有名な分、いろいろあいつの周りは危ないらしいねん。いろんなとこから狙われるわ、裏では危ないことに絡んでたとかいう噂もあったなぁ…』




あ…あたし、よく生きてたなぁ………




あたしはほっぺとか触って、本当に自分がちゃんと生きてるのか確かめた。



そしたら、シンの手がぽんっと頭の上に置かれた。




『優梨はほんま命知らずやなぁ!』



そう笑顔でケラケラと笑って…




『安心せぇよ?今度は俺が守ったるからな――!』



強い強い瞳。

その奥に光る、強固な意志。





安心して、頷けた。




< 129 / 389 >

この作品をシェア

pagetop