唯一愛した君へ
あとからちゃんと聞いた話。
元々、シンは鷹巳と争う気はなかったらしく、
ただ、少しどんな奴だか偵察したらしい。
『だって本気でやりやったら、あいつに敵うわけないやろ〜?
それに俺は平和を愛す暴走族の頭やしなあ〜♪』
シンは、多分頭がキレるな、とその時直感した。
ちゃんと自分の立場をわきまえて、
無駄なことはしない
賢い人。
そして…
本当に暴走するのを
楽しんでるだけなんだ。
シンを知ると、どんどん惹かれていく自分がいるのがわかる。
そしてなにより――
『けど俺…、優梨の奪い合いなら……あいつと本気でやってもええよっ?』
冗談混じりに、でも少し本気で言ってくれた。
いつも……シンといると、
自意識過剰になりそうな位、
愛されてるな…って実感できる。