唯一愛した君へ
『優梨〜、いつも迎えにくるあの人誰よー?』
学校にちゃんと行くようになってから、1ヶ月以上経って…
…さすがにバレたみたいだ。
美桜はニコニコしながら、あたしに聞いて来た。
今は美桜、由美子、あたししかいない。
『えっ?あー…とその……おっ』
お兄ちゃんだよ!と言おうとした瞬間、
『優梨って一人っ子だよね?』
と聞かれて、うん…と頷いてしまった。
『じゃあやっぱり彼氏なんだあ!♪』
美桜は顔をパァーと輝かせた。
なんだかウキウキ楽しそうだ。
あたしは勢いに圧されてか、バレてしまったせいか、遠慮がちにうんと言った。
え…
あたしが頷いた瞬間、由美子が驚いたように呟いた。
『どーしたの?由美子!』
美桜が無邪気に聞くと、我に帰ったように『ううん、なんでもない』と言った。