唯一愛した君へ
that truth
『シン……?冗談でしょ……?』
あたしは慎重に、そう言った。
『冗談なんかじゃない』
心臓がまた、ドクンッと。
嫌な音を起てて高鳴る…。
『だって…そんなことする理由……シンにあるわけ…『あるよ』
いつも、あたしの話を最後までちゃんとくれるシンが、
……あたしの言葉を遮った。
『元々、あいつのことは好きじゃないからなぁ』
冷たい、冷たい声だった。
それからシンは天井を眺めて何かに耽り、煙草に火をつけた。
カチッ
―カチッ―
シンが鳴らしたライターの音と、
あたしの記憶の中の音が重なる。
フゥーと、
吐き出された
タバコの煙が宙を舞う。