唯一愛した君へ
『じゃあ…俺じゃなく、あいつを選ぶんだ』
『違うっ!ただ一目だけ見に…』
『行ったらもう、戻ってこねぇよ』
死刑宣告みたいに響き渡る。
感情がないみたいに…悲しく。
確かにそうだ。
もう2年も前に別れてるんだ。
今更行ったって…
……………イミガナイ。
『あいつんとこ行かないで…俺んとこ居て…』
切ないくらい掠れた声で、シンはあたしをぎゅ…っと抱きしめる。
少し痛いくらい、必死にしがみついてくる。
―――…シンが初めて…小さな子供のように見えた。