唯一愛した君へ
『――じゃあなんで………
………泣いてるん――…?』
え――?
シンがあたしの頬に触れ、指で涙を拭き取る。
……言われて初めて気付いた。
あたし………泣いてた。
『…優梨に話さなあかんことあんねん……向こう行こう?』
戸惑っていたあたしに、シンはそういい、あたしはただ頷いて、リビングに行った。
2人ともソファーではなく、床に腰かける。
シンは胡座をかいて、
あたしは遠慮がちに小さく座ってた。
2人で向かいあう。
少しの間、沈黙が流れた。
だけどシンがそれを破った。
『俺、優梨に2つ黙ってたことがあんねん』
黙ってたこと………?
何――――……?