唯一愛した君へ





『うん』


『…せやから。せやから、2年前言えんかった…』



震える声…そしてシンも目が赤くなっているのが、見えた。




『でも、こうなる日が来るような気がしとった…』



一つ一つ紡ぎ出される言葉に、あたしは涙が止まらなかった。




『今日だけは…言わんでおこう思っとったのになあ……』



溜め息混じりにそういったシンは、微かに笑ったように思えた。






『優梨』




緊張した振動が伝わってきた。


あたしの頬に手を添えて。
涙をそっと…拭き取る。




『…あいつ、生きてるよ』



――目を見開いた。

涙が一瞬にして止まった。



『……本当に?』


『あぁ』



シンの顔を見つめてから、また涙が出た。




生きてて…良かった……。





『あいつんとこ行っといで』




―――耳を疑った。




『え?』



『もう…ええよ』



いつもの笑顔で、シンが笑った。





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