唯一愛した君へ
『…優梨に言わなくていいんですか?』
俺は焦ったんだ。
彼女が優梨に鷹巳のことを言ってしまうのではないか、と。
だけど。
『あたし…今日優梨に言おうと思ったんです。梶貴鷹巳のこと、あたし酷い奴だって誤解してたから…優梨の誤解も解いてあげたくて』
やっぱり、いうんや…。
そう思った。
『…でも言えなかったです。
あなたといるのが幸せそうな優梨には、とても言えなかった…』
その瞬間、俺は顔をあげた。
『…だから……優梨を幸せにしてください』
深く、お辞儀された。
優梨はいい友達を持ってる。
その時、本当に思った。
『そうするつもりやで』
俺は、由美子に誓った。
絶対、あいつには渡さへん。
そう……思っとった。
――――――2年前は。