唯一愛した君へ
『あいつ、3日後に出て来る』
由美子の顔は困惑で歪んだ。
『……由美子、前の約束守れないわ。ごめんな。
俺、やっぱり優梨と別れることにするわ』
由美子の瞳にははっきりと悲しみの色が映った。
『…どうしてですか?優梨のこと、好きじゃなくなったんですか…!?』
俺が…ゆっくり微笑むと、由美子は驚いた顔をした。
『…ちゃう。好きやから…幸せになって欲しいねん…』
ここはもう、桜が咲いていた。
ピンク色の花びらが風と一緒に吹き付けてきて…地面へヒラヒラと落ちていく。
『…それだけ、言っときたかった。約束守れんで、ほんまごめんな?
せやけど、由美子はいつまでも優梨の側におったってぇな?』
由美子に笑顔を向けると――…後ろの桜並木が目に入る。