唯一愛した君へ
チームの奴が、ドラッグをやっている…その現場を、サツに見つかったと…。
慌てて、したっぱの奴が俺に報告してきた。
元々、黒鷹は統率性があまりなく、問題のある奴ばかりが集まる周りからも手がつけられない集団として有名だった。
一般人からは恐れられ、その類の奴らからは恨みを買い、黒烏と見ればよく喧嘩をふっかけられた。
だから……いつかはやる、と思っていた。
表向き、禁止したところで、所持している奴が0になる訳がない。
正直それは、遅かれ早かれの出来事だった。
今までなら、きっと。
仕方ないと流していただけだっただろう。
だけど…。
真っ先に浮かんだのは、“あいつ”のことだった。
見つかったのはドラッグ、だ。
チームの何人かパクられるだけでは済まないだろう。
黒鷹はただでさえ、目をつけられていた。
これが機会と、サツに追われることは目に見えている……。
そしたら――――…
少なからず“あいつ”にも、被害が及ぶ…。