唯一愛した君へ
――――でももう、それも潮時だったんだ…………。
あいつは、きっと俺の正体を知ったはずだから。
あの夜………。
あんな喧騒の中で、一筋の光のように…“その声”が聞こえた。
我ながら、あんな中でよく聞こえたなと、思う。もしかしたら、無意識にいつも探してしまっているのかもしれない。
………、ばかげてる。
きっといつかは、こうなっていたんだ。
…そもそも、あいつは俺なんかと一緒にいちゃ、いけなかったんだ…。