唯一愛した君へ
付き合って何ヶ月かすると、いろんな笑い方をすることを知った。
眉を寄せて口を大きく開けて声をあげて、笑う顔
フッと口元だけで笑ったり
クスッと瞳を揺らす感じの
少し馬鹿にしたような目の時
からかうように悪戯な瞳―
その目の時は決まって、可笑しそうに笑いながら頭を撫でてくれる。
幸せだ……そう感じる瞬間。
同時に唇も奪われる――
あたしの体の熱は急上昇して、頬が赤く染まると、
『意外と純だなっ笑』
そういって、颯爽と前を歩いていく。
何時だってあたしは負けてばっかり。
いつもドキドキされっぱなし。
少しだけ…悔しかったりもする。
でも、負かそうとは思わない。
恋は惚れた方が負け。
そう聞いたこともあるけど、あたしはそうは思わない。
―――惚れた方が勝ち。