唯一愛した君へ





自分の、開かれた手のひらを見つめる。









この手で…この拳で、一体何人の奴らを傷付けてきたのだろう。





相手の顔すら、思い出せない俺は、


なんて、愚かなんだろう。






ぐっと、手のひらを握りしめる。








胸が、苦しい。





今まで生きてきた俺の人生には……一体なんの意味があったんだろうか?












――――だから、考えるのをやめた。






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