唯一愛した君へ





急に体全身の力が抜けていった。あたしはその場にしゃがみ込んだ。



『優梨っ!!』



由美子のあたしを呼ぶ声が遠くの方で聞こえた。





本当は薄々感じていたんじゃないの――?



誰かがあたしに問い掛ける。





そうかもしれない…



それでも何かが崩れ落ちるのを必死で食い止めていたのかもしれない…



あまりに脆くて
あまりに大事だったから。




アスファルトに落ちた涙は、すぐに形を崩し消えた――…






真っ暗な空の下


そこだけが明るさを放つ


すごい騒音が沸き立ち


周りの声なんか聞こえるはずもない






それでも届いているといい…








『…鷹巳…っ…』



力いっぱい…、叫んだ。


――その瞬間、意識が途切れた。



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