唯一愛した君へ
『あいつとじゃ、優梨が幸せになれな』
『…あたしはそんな噂、信じない。あたしはあたしが知ってる鷹巳を信じるよ』
幸せになれない。そうかもしれない。
でもじゃあ…幸せって何?
幸せになれない、それは誰が決めたの?
だってあたしは鷹巳といるだけで、充分幸せだった。
それ以上もそれ以下もないよ。
本当はあたしは鷹巳を何も知らないのかもしれない。
もしかしたら噂の方が正しいかもしれない。
それでも、あたしの気持ちは変わらない。やっぱり鷹巳が好き。
あたしには、それだけしか必要ない。
『由美子、いくら由美子でもあいつを悪く言わないで』
心配してくれてるのに、酷いねあたしは。
『ごめん。嫌いに、なっていいよ』
きっとあたしは友情より恋愛を取るタイプだ。だからこんなあたし…嫌いになってもいいよ、由美子……。
そう思うのに、目から涙が零れ落ちた。
『…優梨は馬鹿…っ!』