唯一愛した君へ
そういって頭をがしがしやられた。馬鹿!馬鹿!って何回も繰り返しながら…髪をぐちゃぐちやに掻き交ぜられた。
『……あんたみたいな馬鹿な子、ほっとけないわよっ!』
ほら!
そういってティッシュ箱ごと渡された。
『汚いし、メイク落ちて顔ヤバイわよ。優梨、地顔最悪ね!』
嫌味をいってきて笑われた。
もう…しょうがないじゃん!
よく見たら、由美子も涙ぐんでいる。
『…由美子こそ!厚化粧のくせに゙ー』
うっさい!…怒られながら、2人で顔を見合わせて笑い合った。
そんなのは久しぶりで、本当に嬉しかった。改めて、友情の大切さが分かった…。
『…泣きたかったらいつでも言いなさいよねっ!』
そしてきっと不満がりながらも、応援してくれる気でいる由美子。
『…うん!』
ありがとう、由美子。
それは直接口には出さない。
言わなくても多分、伝わっていると思うから。
最近で1番穏やかな日だった。
あたしは大切なことを忘れて。