唯一愛した君へ








――きっとサインはタバコ。



あたしはそこからこの場面を予測していた。










「お前に飽きたんだ。しつこく付き纏われると、うぜーんだよ」







世界は回っている。
動いてる、せわしなく。


その中で鷹巳は
眩しいほど違う場所にいる。



あたしはおいてきぼり。





「……………分かった」






あたしの世界は回ってる?


鷹巳は眩しい場所に消えてくよ。


追い掛けないの――…?






すれ違うとき、吸っていたタバコが真横へと落とされて行った。






きっとこれは……あたしだ―――。





< 82 / 389 >

この作品をシェア

pagetop