唯一愛した君へ
そうやってあたしはいろんな人に迷惑を掛けている事を分かっている。
あたしがすべきことも、分かっている。
それなのに……
あたしは変わらなかった。
相変わらず鷹巳を待って――
一日の時間を噴水の所に座りながら、過ごしていた。
時々バイク音が聞こえると、振り向いてしまう。
期待をしてしまう。
そしていつも違った――。
なんにも見えない。
希望も光りも未来も。
ただ目の前に広がっているのはいつも…灰色な世界と、
騒がしい都会の街並み。
あたしの嫌いな景色。
空を見上げると、いつも太陽は当て付けのように晴れていて、あたしは対抗するようにいつも目を伏せている。